薬が乗っているスプーン

アフターピル妊娠を防ぐことができる経口避妊薬のひとつです。同じ経口避妊薬としては低用量ピルがありますが、低用量ピルは事前に服用して性交前に妊娠を防ぐのに対してアフターピルの場合には、妊娠の可能性のある性交を行った後、つまり性交後に服用して妊娠を防ぐものです。仕組みとしてはどちらも同じで女性ホルモンを体内に取り入れることで、身体が妊娠していると誤認させて、新たな妊娠を起こさせないようにします。

アフターピル、低用量ピルとは?

一般的に、ピルとは望まない妊娠を避けるために利用される経口の避妊薬のことであり、低用量のピルに関しては日本では認可されてから約20年が経過します。世界的に見れば、世に登場したのは40年ほど前であり、日本でも認可が行われる以前からクリニックで処方されてきたという経緯があります。しかし、登場した当時は副作用による体調不利の影響が大きく出たことから、敬遠されるものでした。しかし、90年代頃には大幅に改善にされて、安全に使用することが可能になっています。これは低用量ピルのことで、その後に登場したのがアフターピルです。

その歴史は比較的新しく1999年にフランスでノルレボとして発売されたものが最初になります。ただ、これは緊急避妊薬として認可されたものであり、それ以前から中用量ピルを用いたヤッペ法という避妊法が1970年代から行われています。ヤッペ法は、医師の判断と責任で行われるもので中用量ピルを2回にわけて服用することで行うもので、こちらも女性への身体への負担が大きいものです。しかし、実際に受精し着床してしまうと中絶するしか方法がなくそちらの方が身体への負担が大きいため、望まないのであれば、まずはチャレンジすべき方法とされます。

ヤッペ法は安価ですが、あくまでも方法であって中用量ピルも専用のものが使われるわけではありません。しかし、ノルレボなどアフターピルは最初から避妊を目的とした薬として作られたもので1回で済ませられるメリットがあるものです。

なお、ピルは英語で錠剤のことを意味します。低用量ピルが使われるようになると英語圏においても経口避妊薬のことを単にピルと呼ぶなど避妊するための薬という意味で使われるようになっており、世界でも通じる言葉となっています。

避妊方法には、薬によるものの他にもあり、一般的なのは男性が装着するコンドームです。この方法は男女ともに影響が少なく性感染症も防ぐことができるメリットがあり、正しく使えばそれなりの効果があります。これは男性が装着しなければなりません。女性用でも専用の道具がありますが、子宮内の挿入しなければならないなど手軽に行えるものとはいえないものです。この点で、ピルは女性が日頃から行える方法として有益なもので、またその中では身体に与える影響も小さなものです。

低用量ピルやアフターピルと呼ばれているものですが、実際の内容としては女性ホルモン剤になります。人間の身体は男性も女性も体内で分泌されるホルモンによって身体が作られているものですが、女性の場合には子供を産むという生殖機能から、その変化が周期的で、かつ男性と比べて大きいものです。特に生理はホルモンの影響によって行われるものであり、これは当然ながら子供を産めるかも影響します。反対にこの周期的な変化を把握することで子供を作りたくない場合の性生活をコントロールすることもできるのですが、ただこの方法は不確実でピルを使ってコントロールしない限り確実性はありません。

そもそもピルの仕組みとしては、女性が妊娠中に新たな妊娠が起こらないという生理的な働きを女性ホルモン剤によって人工的に起こさせることです。アフターピルの場合には性交後に使用しますが低用量ピルの場合には毎日使用する必要がありますが、正しく使うことによって確実かつ安全に望まない妊娠を避けることができるもので、かつ女性が主導権を持って行うことができます。

アフターピルと低用量ピルの違い

アフターピルと低用量ピルの違いは、性交後に使用するか性交前に使用するかの2つです。アフターピルは女性ホルモンの量が多いため中用量ピルとも呼ばれ、性交後72時間以内に服用すれば、99%と極めて高い確率で防ぐことができます。また最大で性交後120時間以内であれば防ぐことが半分程度、期待できるものです。

ただ、タイムリミットがあることや日本国内では処方せん薬となっているのですぐに手に入れる場合にはクリニックに行かなければなりません。クリニックでも簡単に出してくれるところもあれば、ちゃんと診察をした上で処方するところもあり、費用もそれによって変わってきますから安定しません。それにアフターピルとして使われるノルレボ錠は、価格も高いもので1万円以上は必要です。しかし、それでも身体への負担を考慮すれば望まないのであれば、アフターピルを利用した方がメリットがあります。

低用量ピルの場合には、一般的なものは28日周期で毎日服用するというものです。毎日使用するというものであるため、価格も比較的安価に設定されており専門のクリニックや個人輸入代行などで手に入れる場合には1セットあたり2,000円前後で利用することができます。ただ副作用のリスクを考慮すれば、使用する時には医師の診察を受け、使用するのに問題がないか確かめてもらうことや、使用による副作用のリスクを避けるためにも定期的な検診を受けることが大事です。

一方で28日間連続での服用となりますが、実際には有効成分を服用するのは21日間で、7日間は休みというものです。28日周期にすることで生理をコントロールすることになります。販売されているものとしては種類としては21錠と28錠がありますが、28錠のものは最後に飲む7錠は成分の入っていないものです。このような飲み方をする理由は、7日間の休み空けに再開し忘れるのを防ぐために行われるものになります。

また種類も多数あり現在、主流となっているトリキュラーでは、3相性タイプと呼ばれるものです。これは3段階に女性ホルモン剤の量を調整しているもので、順番に服用する必要があるものの、それまで問題となっていた副作用のリスクを最小限に防ぐことができるものです。ただし、低用量ピルの場合には21日間毎日服用しなければならず、その時に時間についても同時刻である必要があります。そうしないと、避妊効果を得ることができません。ただ、女性ホルモンを安定させるという効果は持続します。このため生理痛や生理不順など女性ホルモンに起因する問題がある場合には、その治療薬の用途としても処方されるものです。また生理日を移動させるといった用途でも使うことができますが、これは中用量ピルでも行うことが可能です。なお、近年は28日周期で使用するのではなく120日間連続使用することができる超低用量のピルも登場しているなど、その選択肢は多様化しています。

いずれにしても違いとしては性交前から使用して効果を得るか、性交後に使用して効果を得るかの違いで、また含まれる女性ホルモンの量や用法などが異なります。また共通していることは健康保険はほとんどの場合で利用することはできません。このため全額自己負担となりますが、生理痛や生理不順でも月経困難症と言った場合には低用量ピルに関しては保険適用が可能な場合がありますが、その時には利用できる種類は制限されます。